麗人館

俊介と美園の愛は許されないものだった…

ひとときの逢瀬を楽しむ二人…

全盛期の女郎屋『麗人館』

美園は後ろ髪を引かれながら女郎の仕事へ…

それでも、美園は麗人館の中へ消えて行く。

俊介も、苦しい想いを隠して、日々を過ごす。

『麗人館』の全盛期は過去の事。店に石を投げ込まれる。

「ね、店を辞めたらどうするの?」

「売春禁止法が施行されても行く所なんてないわよ」

「俊ちゃん!どうしたの?またこんなに酔って…」

「お兄さん、良かったら一杯飲んでかない?」

「穂波、俊ちゃんの介抱してあげなよ」

「俊介さん、大丈夫?」「巴は優しいなぁ…」

「もう、しょうがないなぁ!ほらっ!奥へ行くわよ!」

「拓ちゃん!聞いてんの!」「まぁまぁ…」

「麗人館に石を投げ込まれたのよ」

「表向きはカフェでも、裏で女郎屋をやってるんじゃないか?」

「そんな事、ある訳ないじゃない。」

「美園!大丈夫か!」俊介は倒れていた美園を見つける。

[美園さんって言って、3年前は俊介さんの恋人居たのよ」

「え?美園さん、見つかったの?」

俊介は、行方不明の美園が戻った事にホッとする。

「皆には心配掛けてばかりで…」と美園の娘、柚。

「美園、まだゆっくり休むといいよ」

美園は行方不明だった間の記憶が曖昧になっている。

「私、どこか悪いの?」「本当に覚えて無いのか?」

「俊ちゃん、どうしたの?」

「俊ちゃん、優しいのね」

「派手な着物だね」

「女郎屋だった頃、着てたのよ」

「目障りなのよ!」

「あんたっ!生意気なのよ!」

「いい加減にしなっ!」

「香子って言います」「いい名前だ」

チークタイム。。。

「命張って守るから!」

「ほら、穂波ちゃん、飲みすぎだよ」

「店を売ります!」「聞いてないよ!!」

「いい店ですね、高く売れますよ!」

「この子が柚、美園の本当の娘です」

「あんたのせいよ!この疫病神!!」

「あら…、ここはどこ?」「記憶が戻った?」

「穂波!よくやった!」「どういたしまして…」

「柚ちゃん、もうちょっと飲もう!」

「浮気しなかったんだ!偉いぞ〜!」「当たり前だよ」

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